2023年8月3日
良質な国産材を使う
建築業界の闇。
それは、家の骨組みである構造材の世界。
外国の木材は、どの国で、どんな船で、どれだけの時間をかけて運ばれ、どこにストックされ、どこで構造加工されるのか?もちろん名だたる商社経由ですね。
流通の世界も全て同じではありませんが、商社から問屋。
問屋から木材市場から全国にある様々なプレカット工場内にある乾燥機に入れられ一定の含水率に抑え込み、構造材の加工工場で加工します。
その材料は運送会社のトラックに乗って建築現場に到着するのです。
しかし、国産材の場合はどうでしょうか?
外国の材料のルートとは違うのでしょうか?
まず、大きく違うのは船で運ばれ倉庫に寝かせるということはないのではないかと思います。
船で運ぶとすると国内の木材をどうしても遠方の倉庫に入れなければならない事情がある場合です。
とはいえ、国内から国内なので時間も関係者も日本企業であり日本人です。
私たちが、こだわっている国産材で家を建てる流通は、「産地直送」です。
何が違うのでしょうか?
実は、全く違います。
まず、岐阜県中津川市坂下に関係を構築している構造加工専門の会社さんがあります。
こちらの地位置は、木曽エリアです。
長野県ではありませんが、お隣の地域です。
木曽東濃檜の故郷です。
長野県側なら「木曽檜」と言えますが、山は一緒でも表と裏と言える場所にある檜を分類しています。
木曽檜は、基本的にこの言い方ができるのは天然の檜だけです。
檜は「木曽ひのき」という書き方がなされていて人工林ですから、天然ではありません。
「木曽東濃檜」も人工林です。
しかし、木曽檜の種木というのがあり、その種を育て改良を加えて東濃地域で作り上げた木曽檜を「木曽東濃檜」と言われ、国内でも有数のブランド檜と位置付けられてきたようです。
そのお膝元にある構造材を加工している工場で窪田建設の『縁側家族』の家はつくるルールとしています。
この工場には、木の目利きのプロがいます。
プロとしてのプライドを持って木を選んでくれます。
もし、そこで出荷された構造材の品質に問題があると我々が判断すれば、もちろん改善指示をします。
プロとプロとの緊張した関係が毎回存在します。
プライド vs プライドの戦いです。
木を選んで出す側は、改善指示をもらわないことが木のプロの立場です。
その一定の緊張感こそが「産直」の良さです。
そして、その品質が担保された木を専属の木材加工工場で責任持って工期を遵守して加工し運んでくれます。
つまり、決まった木のプロが居て、いつもその人と内容確認し、決まった工場で加工して出荷してもらえる関係こそが理想だと私たちは考えこだわりを持って国産材の木を使って、産直方式で「縁側家族」の各シリーズをつくっています。
これこそが「顔」の見える『国産材の産直』だと考えているのです。
こだわってます。
誰が木を選んだのか?
どの工場で誰が加工したのか?
この一般的な家を支える構造の安全性や確かな品質を維持していくためには、このような仕組みを持っていなければならないと考えています。
国産材で家をつくるのは大切なことです。
日本の山を守ることにつながります。
でも、誰が?が大事ではないでしょうか?
私たちは「誰が」を大切に考えます。
巨大な商社経由の流通業界ではありますが、小さくてもいいから確かな国産材を加工して建築地に出荷してもらう仕組みこそが『産地直送』だと考えます。
しかし、木は生き物です。
季節によって空気中に存在する湿度は異なります。
その関係でヒビが入ることもあります。
そこが本物の木である証拠です。
だからと言って木ではない素材を家づくりに導入することは少ないように思います。
やはり、家は木でつくりたいという方が多いと認識しています。
鉄は、熱伝導路つが高いので高機密高機密の家には向きません。
温度差で結露しやすい素材です。
コンクリート構造の場合だとコンクリートの中には水分があるので中々抜ききれないです。カビたりしやすいかもしれません。
だから、今の時代も住まいは木造でという認識があるのだと思います。
最近は、量産メーカーも鉄骨構造から木造にシフトしてきたと聞きます。
日本の山を守り育てるためにも「木造住宅」が要ではないでしょうか?
いくらデジタル化が進んでも「顔の見える関係」が一番重要です。
家はスマホで買える時代かもしれませんが、やはり建てたい家を提案している工務店があれば、完成見学会やモデルハウス見学は絶対行って見るべきです。
そして、感じて欲しいのです。
住宅会社、工務店、ビルダー、量産メーカー、ローコストメーカーそれぞれ違います。
特徴があります。
家に対する考え方が違います。
ましてや「産直」をやってる会社は、ほとんどありません。
その考え方良しと理解するのか?
そうでないのか?
それも含めて知って見る必要があると思います。
家は、建築地でつくるものです。
工場から運ばれてくるものではありません。
特殊と言えば特殊です。
だから、量産メーカーが全てを握っていない珍しい業界です。
全国に地元の工務店が量産メーカーと肩を並べているのも、建てる方々の要望や考えが一律ではないし、家を建てる側も様々な個性や特徴があり、自らの考えがありその考えや感性に合うのか?
共鳴できる点がどこなのか?
色々と同じだったり違ったりします。
そんな「同じ」「違い」を知るためにもデジタルだけで完結することは厳しいものがありますね。
話が飛躍しましたが、「産直による国産材で家をつくる」裏側のお話をしました。
家の構造を担う「構造材の裏側」について少しだけでいいので知っていただけたら幸いです。