HEAD BLOG代表 窪田のブログ

2022年7月21日

最近の家の「屋根」

最近の住宅の屋根形状でお気づきじゃないですか?

 

片流れのシンプルなものが多いですよね。

 

しかも、瓦じゃないタイプが多い。

 

不思議に思いませんか?

 

流行?

 

実は、いくつかの理由があります。

 

まず最初に言えるのは、地震が頻繁にあり瓦屋根が落ちた。

 

修理が大変だったんでしょうね。

 

修理が済まなければ雨漏りします。

 

でも、そんな単純な話でもなさそうです。

 

日本の家の屋根は「瓦」というのが定番でした。

 

長持ちするからです。

 

そして、夏の暑い暑い日差しを和らげてくれる最良の材料だと考えられてきました。

 

当然、断熱材も今のような高性能な素材もありませんでした。

 

なんとなく理解できますよね。

 

ところが、建築基準法でも耐震強度について計算で算出して強い家かどうかを示す時代になりました。

 

その結果、瓦屋根は思い。

 

つまり構造に負担をかける。

 

計算上も不利。

 

よって「瓦」から重量の軽い「ガルバリューム鋼板」が増えたのです。

 

その他に形状が「片流れ」である家が多くなっていますね。

 

それは、ソーラーパネルを乗せる場合、発電を沢山させるには大きな面積が必要になります。

 

切妻だと面積は、半分しか乗せられません。

 

であれば、片流れが有利だという考えに成っていったのです。

 

しかし、デメリットもあります。

 

片流れだと、屋根に積もる雪も倍になるわけです。

 

南の庭になるところに「ドカン」と屋根から雪が落ちます。

 

かなり危険です。

 

しかも、ソーラーパネルに雪止めは効果薄です。

 

そりゃー雪落ちますよね。

 

雨も同様です。

 

切妻の倍の面積の雨が片面に落ちます。

 

樋に負担がかかります。

 

樋が水を飲み込めずにオーバーフローします。

 

結果、樋の壊れる率が高くなります。

 

更に北側の軒天の勾配が、壁際に流れ込む率が高くなります。

 

壁の中に水が入り込む可能性も高いと言えます。

 

とはいえ、昔の家とは壁の中の作り方が違います。

 

外壁材の下は、通気槽があり、その下に防湿系のシートが貼られています。

 

そう簡単に壁の中に水は入らないという作り方になっています。

 

とはいえ、やはり切妻屋根から考えると心配な気もします。

 

どうだったでしょうか。

 

「片流れの屋根」についても立ち止まって考えてみれば理解できる点も多いですね。

 

構造的には屋根が軽い方が建物に負担をかけない。

 

ソーラーパネルを乗せるなら屋根面積が大きいことが有利。

 

しかし、危険も孕んで入る。

 

二階建ての屋根から南面に雪が落ちると危険。

 

平屋ならまだ落差が少ないだけ危険性は少ない。

 

もちろん、これが正解というのはありません。

 

どこを優先するかです。

 

一度、こんなことも立ち止まって考えてみるのも大切なことではないでしょうか。

 

最近多い「片流れの屋根」について書いてみました。

 

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