HEAD BLOG代表 窪田のブログ

2022年7月20日

外材 vs 国産材

前回は「プロダクトハウス」について書きましたら、長くなってしまいました。

 

失礼しました。

 

さて、今日は住宅を作る上で重要な「材料」についてです。

 

昨年からコロナ感染拡大により世界中で木材が流通しにくくなりました。

 

しかも、かなり極端にです。

 

過去にここまでの品不足ってありましたでしょうか・・・?

 

そこで、初めて「外材」vs「国産材」を考える必要に迫られたと言えます。

 

ただし、一般論としての話です。

 

と言いますのは、窪田建設は20年前くらいから「国産材の産地直送運動」をやっていました。

 

確かに「ノルウェーハウス」などは、北欧材を構造に使用したり床や壁や天井に使用してきました。

 

外材です。

 

しかし、外材と言っても「赤松」です。

 

日本の赤松と色味なども似ています。

 

ただ、日本の赤松は成長していく特徴として曲がります。

 

しかし、北欧の赤松はまっすぐに伸びていきます。

 

建築資材としては、床、壁、天井などに使用するには非常に素直で癖が少ないのでありがたい材料です。

 

特に床材としての赤松は、日本の家には最高にマッチしています。

 

適度な柔らかさと明るい色味と素足暮らしに硬さがちょうど良いからです。

 

しかし、日本の赤松も基本は一緒なので問題はありません。

 

ただ、癖が少しありますので扱いが厄介な部分も正直あります。

 

構造材としては、そうはいっても木は基本癖があります。

 

本当にまっすぐな木は少ないと思います。

 

そこで、木を貼り合わせた集成材にして使うことが多いです。

 

特に赤松は、日本の歴史から言っても「梁」には使いましたが、柱にはあまり使われていないと思います。

 

窪田建設は、「赤松(レッドパイン)(レッドウッド)」を積極的に使っています。

 

素足暮らしで硬い木を使うのは、確かに「靴の生活」を主軸とする海外では多いと思います。

 

オークなど代表的です。

 

ブラッチェリー、ウォールナット、バーチ、メイプルなどでしょうか。

 

日本人は、素足文化です。

 

足の裏が気持ち良く、夏は少し涼しく感じて、冬は暖かく感じる木が相応しいのです。

 

そうなると国産材であれ外材であれ「赤松」が一押しと言えます。

 

そして、床、壁、天井などに国産材の「杉」を多く使う様になってきています。

 

理由は、やはり適度な柔らかさがあるからです。

 

そして、狂いにくい性質があるからです。

 

色も赤松と比べると落ち着いた色をしています。

 

ただし、赤い部分と白っぽい部分があるのも特徴です。

 

「源平」などという呼び方をしています。

 

できたら、あまり激しい変化のない赤なら赤。

 

白っぽいなら白。

 

といきたいところですが、杉の木は外側が白っぽく中側が赤っぽい性質があります。

 

しかし、赤と言っても少し黒っぽい落ち着いた赤が多いと思います。

 

産地などによっても色味が異なります。

 

最近では、「縁側家族」の平屋日和や小屋日和には国産杉を床に使用しています。

 

標準仕様です。

 

構造材も外材ではなく「国産の杉」を柱や梁に使用しています。

 

色味が同系色なので非常に落ち着いた深みのある印象を持つでしょう。

 

これは、国産材に分があります。

 

特に梁に使えそうな外材は、米松くらいなものです。

 

私たちにとっては、国産材の産地直送運動をしてきたこともあり、最も得意な材料と言えます。

 

そして、本当は「檜(ひのき)」も同様に価格が許せば柱には積極的に使いたいと思っています。

 

世界に誇る国産材といえば、やはり「檜(ひのき)」です。

 

そして、材料の良し悪しを語る上で誤解が多いのは、地元の木で家を建てようという精神論。

 

日本の中でも気候条件や山の様子などでどこでも良い木が育つ訳ではありません。

 

長野県の杉は、あまりよろしくないと言うのも業界筋の話し。

 

やはり、長野県なら檜と行きたいところです。

 

岐阜県も表裏と言われる山で育った檜は最高です。

 

香りといい肌の色といい年輪といい素晴らしいです。

 

杉ならば、他県の方がいいです。

 

奈良県の吉野なら「杉」もいい「檜」もいいです。

 

「国産材」 vs 「外材」といった対決の話にならなくてすいません。

 

ただ、価格は今「外材」はかなり高価なものになってしまっています。

 

ちょっと手が出にくいし数量も確保することは厳しくなっています。

 

日本の山にこれだけ木があるのですからなんとかならないか?

 

誰もがそう思いますが、林業は3代にわたって営むと言われ職業にする人は限られています。

 

危険も伴います。

 

木を伐採しても運搬してこなければなりません。

 

製材も必要です。

 

乾燥もしなければ使えません。

 

構造材として使うのであれば構造加工(プレカット)しなければなりません。

 

そう言う理由で、国産材ではなく外材が陽の目を見てきたのです。

 

しかし、ここにきて逆転。

 

国産材にやっとチャンスが訪れました。

 

しかし、いい材料を安定的に入手できる工務店やビルダーや住宅メーカーは限られます。

 

ここで、国産材じゃなければ日本の家はダメです。

 

と言うべきなのかもしれませんが、そんなに単純なものでもないのですね。

 

外材だって国産材にない魅力の木もたくさんあります。

 

ただ言えるのは、価格も安定していて、品質も良く、安心して流通させてくれるパートナーが必要だと言うことだと私は考えています。

 

日和シリーズは「国産材の杉」を床に使用。

 

LIFE & AND シリーズは、床には北欧赤松(レッドパイン)を床に使用しています。

 

理由は、先ほども触れた通り「素足文化」が日本人に一番合っているからです。

 

では、素足で生活するに相応しい素材は?

 

その答えが「国産杉」「北欧レッドパイン」だと考えます。

 

木は、時間が経過するごとに味わいが増していく不思議で魅力的な素材であると思っています。

 

家族の歴史を刻んでいける素材を使った家。

 

今回は、少し思い入れのある「木」について書いてみました。

 

ニュートラルに書こうと思ってキーボードを打出したのですが、どうも力が入ってしまい長くなってしまいました。

 

でも、答えは「いいものは良い」ですね。

 

 

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