2015年6月26日
森林浴と木の家の関係
長野県内外の工務店仲間で毎年共同開催している「檜ヒノキの原点を探る旅」に先日数年ぶりに参加しました。
木曽の赤沢自然休養林散策⇒中津川のプレカット工場(東濃檜メイン)&地球民家展示場(平屋ベース2階建プラン)見学というコース。
天候に恵まれた森林散策では木曽檜と林業の歴史を学びながら、森林浴発祥の地といわれる赤沢で上田ではなかなか味わえない極上のフィトンチッドをたっぷり浴びてきました。
森林の木々が自らを守るために発散している揮発性物質を「フィトンチッド」と言います。
その主な効用は
①消臭効果⇒空気中のにおい物質と接触して消臭反応を起こし、無臭の安定物質に変化させます。
②アルファ波効果⇒ 森の中で深呼吸すると気分が落ち着き、さわやかさを感じます。これは森林浴効果と呼ばれているもので、森林の樹木が放出しているフィトンチッドが脳内のアルファ波(α波)を増加させリラックス・瞑想・集中・没頭・カン・ひらめき・リフレッシュできます。
③防カビ・防菌・防虫効果⇒ 日本では昔から木を使った家づくりが一般的で、多湿な気候によるカビなどの建物への影響を抑えることもできました。また檜のタンスが古くから愛用されているのは防虫効果によるものです。さらに押し寿司・酒樽・寿司屋の檜カウンターなどにみられるようにフィトンチッドには細菌の増殖を抑制する働きがあり古くからその力が利用されてきました。
④有害物質の低減⇒ 優れたアメニティ効果がありオゾン・NOx等の有害物質を低減させ、シックハウス症候群の原因ともいわれるホルムアルデヒド等の室内汚染物質も中和してくれます。
無垢の木を使った家にいると何となく落ち着く、木の家が好き、という方はこれらの効果に感性で無意識に反応しているのかもしれません。
18年前、北欧の家と日本の民家を融合したノルウェーハウス展示場がSBC上田ハウジングパークに完成し、
新築ほやほやのその建物に入った時の事を思い出します。
自然素材の家がまだ普及していない時代だったので衝撃を受け、思わず「いい家だなあ」と他のスタッフとため息をついてしまいました。
その後お建て頂いた様々なお客様に
※木が調湿してくれるので洗濯物がよく乾きおせんべいも湿気らない。
※アパートがカビっぽくてぜんそく気味だったお子さんが、一戸建てに移って状態が改善した。
※夏も冬も無垢床が裸足に気持ちよく、木は視覚的にもやさしく目なども疲れない。
など、様々なうれしいご感想を頂きました。
私自身も赤沢の森林や檜の歴史等に影響され自宅建築の際随所に様々な無垢材を実験的に使い、小さい家ながらも冬も薪ストーブで暖かい家の中で癒されながら暮らしています。
赤沢自然休養林の詳細については上松町観光協会のサイトをご覧下さい。
いつかは木の家でこだわりの注文住宅を…という方に、ネット情報などとは違う貴重でリアルな学びの場として、ぜひおすすめしたい素敵なスポットです。
斉藤