2025年11月6日
「間取りで失敗しない。そのための大切な考え方」
家づくりで一番ワクワクする瞬間——それは「間取り」を考えているときではないでしょうか。
「リビングは広くしたい」「キッチンは対面がいい」「子ども部屋は2つ欲しい」…。
頭の中に理想の暮らしが浮かび、夢が膨らむ時間です。
しかし、家づくりの現場に長年携わってきた者としてお伝えしたいのは、
“間取りこそ、最も失敗が多いポイント”だということです。
1.「間取り」は“家族のストーリー”で決める
多くの方が最初に陥るのが、「設備」や「広さ」から考える間取りです。
けれども大切なのは、「どんな暮らしをしたいか」というストーリー。
朝、家族がどこで顔を合わせるのか。
子どもが帰ってきてからリビングに座るまでの動線は?
家事や在宅ワーク、ペットとの時間は?
たとえば、縁側家族の“平屋日和”は、家族の距離が近く、自然と会話が生まれる動線を意識しています。
家事動線を中心に考えると、キッチン・洗面・物干し場が一直線に並び、暮らしのリズムが整います。
「暮らしを描く」ことが、間取りの出発点です。
2.「広さ」よりも「バランス」を大切に
「リビングを20帖以上にしたい」とおっしゃる方も多いですが、
実際には家具を置いた瞬間に空間のバランスが崩れることがあります。
重要なのは「部屋ごとの広さ」ではなく、
“生活の流れに合ったサイズ感”です。
たとえば、YOROKOBiの“LOVEL”はコンパクトながらも、
光と視線の抜けを計算して設計することで、実際の面積以上に広く感じられます。
コンパクトだからこそ快適にする工夫は、「余白」のつくり方にあるのです。
3.「収納」は“量”より“配置”で決まる
間取りで後悔されることの多いのが「収納」です。
「もっと収納を増やせばよかった」と思う方は多いのですが、
実は“どこにあるか”が重要。
動線の途中に必要な収納を設けることで、片付けやすさが格段に上がります。
たとえば、帰宅動線に沿って玄関→シューズクローク→ファミリークローゼット→洗面室と繋ぐと、
帰宅後の動きがスムーズで、家が散らかりにくくなります。
4.「光」と「風」の設計を忘れずに
間取りを図面で見ていると、つい壁やドアの配置ばかりに目が行きがちです。
しかし実際に暮らしてみて大切なのは、
“どこから光が入り、どこへ風が抜けるか”です。
特に上田市のように晴天率の高い地域では、南面の採光を活かしながら、
夏の直射日光を庇でコントロールする設計が理想的です。
自然の力を味方にすれば、冷暖房費も抑えられ、
「心地よく・省エネな暮らし」が叶います。
5.未来を見据えた「可変性」を
家族の形は変わります。
子どもが巣立つ、親を迎える、在宅ワークが増える——。
その変化に対応できる“可変性”が、これからの間取りには欠かせません。
たとえば“PiECE”のようなコンパクトハウスでも、
間仕切りを可動にしたり、ロフトや土間を活用することで、
「子育て期」から「夫婦2人暮らし」まで対応できる柔軟な住まいになります。
6.「図面」ではなく「体感」で確かめる
間取り図を見ても、実際の暮らしは想像しづらいもの。
だからこそ、モデルハウスや完成見学会で“動線を体感”してほしいのです。
・ドアの開閉で風が通るか?
・キッチンから家族の気配を感じられるか?
・洗濯や掃除の動きがストレスにならないか?
私たち窪田建設のモデルハウス(中之条・御所・中野など)は、
実際に暮らしを想定した家具・照明・生活動線を再現しています。
「図面上の良さ」と「体感の良さ」は必ずしも一致しません。
7.まとめ:「間取り=暮らし方のデザイン」
間取りは単なる設計図ではなく、
“家族の幸せな時間をデザインする設計図”です。
そのためには、流行の間取りやSNSの真似ではなく、
自分たちの生き方・働き方・家族の時間を見つめ直すことが何より大切です。
私たちは、お客様と一緒に「どう暮らしたいか」を丁寧に言葉にし、
それを形にする“人生をデザインする家づくり”を行っています。