HEAD BLOG代表 窪田のブログ
2025年10月30日
「規格住宅」「セミオーダー住宅」「注文住宅」の違い
規格住宅・セミオーダー住宅・注文住宅の違いとは?
家づくりには「自由度」と「コスト」のバランスがあります。
それぞれの住宅タイプは、どこまで自由に設計できるか、どこまでコストを抑えられるか、という軸で大きく異なります。
| 区分 | 設計の自由度 | 価格帯(目安) | 納期 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 規格住宅 | ★ | 1,800万〜2,800万円 | 約4〜5ヶ月 | あらかじめ決まった間取り・仕様の中から選ぶ |
| セミオーダー住宅 | ★★ | 2,500万〜3,500万円 | 約5〜6ヶ月 | ベースプランを元に一部変更が可能 |
| 注文住宅 | ★★★ | 3,000万〜5,000万円以上 | 約6〜10ヶ月 | 間取り・仕様・外観まで完全自由設計 |
① 規格住宅 ― “コスパ重視・早く・安心に”
特徴
- メーカーや工務店があらかじめ設計・仕様を決めたプランを採用。
- 間取りや素材はある程度決まっており、「組み合わせる」家づくり。
- 設計コスト・工期を短縮できるため、コストパフォーマンスが高い。
メリット
- 価格が明確でわかりやすい
- 工期が短い(着工から約4ヶ月)
- 性能が安定している(施工実績が多い)
デメリット
- 間取りの自由度は低い
- 敷地条件に合わせた細かな調整が難しい
- 外観の個性は限定的
向いている人
- 「予算を抑えたい」「早く新居に住みたい」方
- 「多くの人が選ぶ安心感」を重視する方
② セミオーダー住宅 ― “自分らしさを程よくプラス”
特徴
- 規格住宅のベースプランを活かしながら、間取りや仕様の一部変更が可能。
- 設計の自由度とコストのバランスが取れた「ちょうどいい」選択。
メリット
- コストを抑えつつ自分らしい設計が可能
- 性能面は規格住宅並みに安定
- 仕様変更も柔軟に対応
デメリット
- 完全自由設計ではないため、希望が多いとコストが上がる
- 標準外仕様の追加により、予算オーバーになりやすい
向いている人
- 「自分のこだわりを少しは反映させたい」方
- 「家族構成に合わせた間取り変更をしたい」方
③ 注文住宅 ― “理想をすべてカタチに”
特徴
- 完全自由設計。敷地条件・家族構成・ライフスタイルに合わせてゼロから設計。
- デザイン性・機能性・素材選定までトータルにカスタマイズ可能。
メリット
- 理想の家を実現できる
- 敷地条件や景観に合わせた設計が可能
- オリジナリティ・資産価値が高い
デメリット
- 設計・打合せに時間がかかる
- コストが高くなりやすい
- 施工者の技術力により品質差が出やすい
向いている人
- 「一生に一度の家だから妥協したくない」方
- 「デザインや素材にこだわりがある」方
長野県のような寒冷地では「断熱性能」がカギ!
長野県は、冬季の寒さが北海道に匹敵すると言われる地域。
したがって、断熱性能(UA値)と気密性能(C値)が住宅コストを大きく左右します。
■ 地域による性能基準(UA値の目安)
| 地域 | UA値基準 | 備考 |
|---|---|---|
| 東京・愛知など(6地域) | 0.87以下 | 比較的温暖 |
| 長野県中部(5地域) | 0.75以下 | やや寒冷地 |
| 長野県北部(4地域) | 0.46〜0.56以下 | 寒冷地仕様が必要 |
| 北海道(3地域) | 0.46以下 | 高断熱・高気密仕様必須 |
→ 長野県の家づくりでは、高性能樹脂サッシ+トリプルガラス+付加断熱が標準化しつつあり、
これにより1棟あたり100〜200万円程度のコストアップが発生します。
■ 注意点
- 「全国規模のハウスメーカー仕様=長野では寒い」場合がある。
- 暖房費・光熱費のトータルで見ると、初期投資を上げてでも断熱性能を確保した方が得。
価格と性能のバランス感覚
| タイプ | 坪単価目安 | 断熱性能 | 性能等級 | 年間光熱費(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 規格住宅 | 60〜75万円 | 省エネ基準レベル(UA0.6〜0.75) | 等級5前後 | 約18万円 |
| セミオーダー住宅 | 70〜85万円 | ZEH対応(UA0.5〜0.6) | 等級6前後 | 約15万円 |
| 注文住宅 | 85〜110万円以上 | HEAT20 G2〜G3対応(UA0.4〜0.46) | 等級7クラス | 約12万円以下 |
※光熱費は延床面積30坪を想定した目安。長野県基準。
それぞれの対象層
| タイプ | 主な年齢層 | 世帯構成 | 重視ポイント |
|---|---|---|---|
| 規格住宅 | 20〜30代前半 | 共働き・子育て初期 | 予算・スピード・安心感 |
| セミオーダー住宅 | 30代後半〜40代 | 子育て〜独立期 | コスパ×こだわり |
| 注文住宅 | 40代〜50代 | 子育て後・二世帯 | デザイン・性能・終の住処 |
まとめ:選び方のポイント
- 「何を優先するか」を明確に
- コスト?自由度?性能?デザイン?
- 地域性能に合った仕様を
- 長野県では「UA0.46以下・C値1.0以下」が目安。
- 価格より“トータルコスト”で判断
- 光熱費・維持費・リフォーム費を含めて比較。
- 信頼できる地元工務店を選ぶ
- 地域の気候を熟知しているかが何より重要。
補足:窪田建設の体系(例)
- 規格住宅系(YOROKOBiシリーズ)
→ LOVEL/SCOPE/PiECE:コンパクトで高性能な規格住宅+地域断熱仕様。 - セミオーダー系(縁側家族シリーズ)
→ 平屋日和・小屋日和・町屋日和:設計自由度を高めた半規格型。 - 完全注文系(個別設計)
→ 敷地条件・要望に応じて一から提案。HEAT20 G3相当の性能を実現。