HEAD BLOG代表 窪田のブログ

2025年10月1日

オーセリックな家を…

「オーセンティック」という言葉を耳にされたことはありますでしょうか。

直訳すると「本物」「正統」「信頼できる」といった意味合いを持つ言葉です。流行に左右されず、長い年月の中で育まれた価値や本質を大切にする姿勢を指します。

私はこの「オーセンティックな家づくり」こそが、これからの時代においても王道であり、普遍的な答えだと確信しています。

1. 流行は色褪せるが、本物は残る

住まいの世界には、常に新しい流行があります。デザインのトレンドや新建材、最新の設備などが次々に登場し、華やかに見えるかもしれません。しかし、それらは数年で「古さ」を感じさせてしまうことも少なくありません。

一方、木の温もりや自然素材の心地よさ、普遍的な間取りの考え方は時代を超えて受け継がれています。

例えば、日本の伝統的な縁側や土間空間は、現代においても暮らしの豊かさを実感させる仕掛けです。オーセンティックな設計は、表面的な新しさではなく、暮らしの根源にある快適さを大切にするため、長い年月を経ても色褪せることがありません。

2. 世代を超えて住み継がれる

家は、単なる「モノ」ではなく、家族の物語を紡ぐ「舞台」でもあります。

だからこそ「一代限りで壊してしまう家」ではなく、「次の世代も住みたくなる家」を目指すことが重要です。

オーセンティックな家は、普遍的な美しさと堅牢さを備えています。木組みの技術や職人の手仕事によって建てられた家は、時が経つほどに味わいを増し、家族の思い出とともに価値を高めていきます。これこそ、資産としての本来の住まいの在り方であり、空き家問題や使い捨て住宅の対極にある考え方です。

3. 心豊かな暮らしを育む

オーセンティックな家づくりは、単に「長持ちする」という機能的な理由だけではありません。そこに暮らす人の心を穏やかにし、豊かな時間をもたらす力があります。

自然素材の家に入ると、木の香りや土壁の調湿効果によって、五感で「安心感」を味わうことができます。窓から見える季節の移ろいを感じ、家族が自然に集まる居場所がある。そうした暮らしは、どんな豪華な設備やデザインにも勝る幸福感を与えてくれます。

つまり「オーセンティックであること」とは、単に形式を守ることではなく、人間らしい豊かさを追求することに他なりません。

4. 社会的意義 ― 持続可能性の実現

さらに、オーセンティックな家づくりは社会的にも大きな意義を持ちます。

流行を追い、短命に終わる住宅を大量に建て替えていくサイクルは、資源やエネルギーを浪費します。それに対して「長く住める家」をつくることは、環境負荷を減らし、持続可能な社会に貢献することにつながります。

木材を大切に使い、地域の職人技術を継承することもまた、地域経済や文化を支える大切な営みです。

オーセンティックな家づくりは、単なる個人の選択にとどまらず、次世代に責任を果たす社会的使命とも言えるのです。

5. 私たちの使命

私たちが「オーセンティックな家づくり」を掲げるのは、単なるスローガンではありません。

創業以来、大工の手仕事を大切にし、住み継がれる家を建て続けてきた歴史の中で得た確信です。

「家を建てる」ということは、その家族の未来をつくること。だからこそ、時代がどう変わろうとも王道を歩むべきだと思うのです。

流行や効率だけを追いかけるのではなく、本質を見据えて家を建てる。これが本当の意味での「幸せな家づくり」につながると、私は信じています。

時代は移り変わりますが、「オーセンティックな家づくり」は決して古びることはありません。

それは、家族の幸せを守り、社会の持続性を支え、そして人の心に豊かさをもたらす「王道」だからです。

私たちは、これからもその王道を歩み続けてまいります。

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