HEAD BLOG代表 窪田のブログ

2025年9月25日

未来を変える発想から学ぶこと

スティーブ・ジョブズという人物をご存じでしょうか。彼ほど「無から有を生み出した人」はいないと私は思います。

昔、コンピュータといえば企業や専門家だけが扱う特別なもので、一般の人が自由に使えるものではありませんでした。しかしジョブズは「もっと身近に」「誰でも直感的に使えるように」と考え、パーソナルコンピュータという新しい世界を切り開いたのです。その結果、私たちは今、仕事でも家庭でも当たり前のようにパソコンを使う暮らしを手に入れています。

そしてジョブズの代表的な功績のひとつが、マッキントッシュです。あの“画面を見ながら感覚的に操作できる”パソコンの発想は、それまでの常識を大きく変えました。その流れはやがてビル・ゲイツのWindowsにつながり、現代のIT社会を形づくっていきます。

ただし、彼は自分でコンピュータを作ったわけではありません。常に「人々の暮らしをどう変えられるか?」という視点からアイデアを生み出し、それを仲間たちに実現してもらっていたのです。ジョブズ自身が魅了されていたのは、日本のSONYに象徴される“発想の力”だったと言われています。技術そのものではなく、暮らしを豊かにするためのアイデア。それこそが彼の原動力でした。

しかし、そんな彼でも一度はアップルを追われてしまいます。強烈な個性と超越した世界観に、当時の周囲がついていけなかったのでしょう。その後、アップルは業績不振に陥り、未来を描けない会社へと落ち込んでしまいました。そこで経営陣が再び呼び戻したのがジョブズです。

彼が復帰して最初に行ったのは、多くの製品を廃盤にし、本当に必要なものだけに絞り込むことでした。そして、のちに世界を一変させる「iPhone」を世に送り出します。今ではスマホなしの生活など考えられないほどに、私たちの暮らしを大きく変えてしまいました。

思い返すと、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』で描かれた未来像よりも、現代の私たちの暮らしの方が進んでいる部分もあります。信じられないような未来が、気づけば現実となっているのです。そして今、AIが次の大きな変革をもたらそうとしています。

大切なのは、過去の価値観や慣習に縛られず、「未来に何があれば人はもっと豊かに、快適に暮らせるのか?」と考え続けることではないでしょうか。

住宅の世界も、まさに同じです。日本の住まいも時代とともに価値観が確実に変わりつつあります。かつては「一生に一度の買い物」として建てられた家も、これからは欧米のように「流通する住まい」「住み継がれる住まい」へと進化していく必要があります。

「水は器に従う」という言葉のように、環境が変われば、人の価値観や行動も変わります。これからの時代にふさわしい住まいとはどのようなものか。私たちが本当に提供すべき価値は何か。常に問い続けなければならないと感じています。

私たちの仕事は、単にご要望に合わせて家を建てることではありません。お客様と一緒に未来を思い描き、「より良い暮らしの道」を切り開いていくことだと考えています。

すべては、お客様も社会も未来も「幸せだ」と思える方向に進むために。
そのために、私たちはこれからも挑戦を続けてまいります。

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