2025年9月15日
賢者の別荘所有 ─ 投資としての視点から考える二地域居住
近年、「二地域居住」や「別荘所有」に関心を寄せる方が増えています。
日常はマンション暮らし、週末や夏季は軽井沢や長野県の高原地帯に“非日常の住まい”を持つというライフスタイルです。特にここ数年の猛暑は深刻で、日本全国で熱中症のリスクが高まり、「避暑地に逃げ場を持ちたい」という発想は、非常に自然な流れでしょう。
確かに、天気予報の数字だけを見れば「長野県も暑い」と感じられるかもしれません。しかし実際には、朝夕の涼しさや低い湿度がもたらす快適さは、数字では表せないものがあります。エアコンの効いた部屋にいても得られない、“気持ち良い空気感”がそこにあります。だからこそ、多くの方が軽井沢をはじめとした信州に別荘を求めるのです。
しかしここで一歩立ち止まっていただきたいのです。
「別荘」という資産を所有することには、大きな魅力と同時にリスクが伴います。メンテナンス費用、老朽化による修繕、相続後の負担…。これらを無視して“気持ちよさ”だけで別荘を建ててしまうと、将来大きな後悔を残しかねません。
そこで私がお伝えしたいのが「賢者の別荘所有」という考え方です。
キーワードは 「出口を決めてから建てる」 という発想です。
売れる別荘を前提に建てる
別荘を所有する際、多くの方は「自分と家族が楽しむ」ことを中心に考えます。しかし、それだけでは片手落ちです。いつか必ず訪れる「手放す時」に備え、売れる別荘を建てることこそが、賢者の選択なのです。
売れる別荘にはいくつかの条件があります。
- 売れやすい場所
人気エリアであることはもちろんですが、アクセス性や周辺環境も重要です。 - 売れやすい価格帯
豪奢な建物は建てた本人には誇らしいですが、中古市場では買い手が限られます。 - 売れやすいサイズ
広すぎない、ちょうど良い大きさ。維持管理の負担が小さいことが大切です。 - 売れやすいデザイン
あまりに個性的なデザインは一部の人にしか響きません。普遍的で洗練されたデザインが強いです。 - 売れやすい性能
断熱・気密性能、耐震性といった基本性能が確保されていれば、購入希望者に安心感を与えます。
つまり、建てる時点で「次に買いたい人」が想定できる別荘こそが、賢い投資なのです。
別荘を「稼ぐ道具」に変える
さらに賢者は、別荘をただの支出で終わらせません。
自分が使わない時には宿泊施設として貸し出し、収入を得ることができます。今は民泊や地域連携型の宿泊運営も多様化しており、仕組みをうまく使えば投資に近い感覚で別荘を所有できます。
さらに、良い値が付く段階で売却すれば、建物が古くなる前に資産価値を現金化できます。そしてその収入をもとに、また新しい別荘を建てる。これを繰り返せば、「別荘」は非日常の暮らしを楽しみながら資産を循環させる“稼ぐ道具”へと変わるのです。
これは単なる浪費ではなく、出口戦略を描いた投資です。
売れる別荘の答えは「コンパクトな平屋」
では、具体的に「売れる別荘」とはどんなものか?
私の答えは明確です。
それは 「コンパクトな平屋」 です。
理由は単純明快です。
- 中古市場で価格が手頃になる
- 誰もが住みやすく管理しやすい
- 宿泊客にとっても快適な空間になる
- デザイン性を高めれば普遍的な魅力が出る
- 性能も「そこそこ良い」で十分に売れる
一方で、大きすぎる建物や過度に個性的な設計は、買い手が限定され、売却時に苦労することが多いのです。別荘を投資視点で考えるなら、シンプルで普遍的な魅力を持ったコンパクトな平屋が最適解です。
窪田建設の考える「賢者の別荘」
私たち窪田建設は、創業以来「家は家族の未来の幸せのためにある」との理念を大切にしてきました。その中で開発した 『縁側家族ブランド』、そして 『YOROKOBiブランド』 のプロダクトハウスは、まさにこの「出口を見据えた所有」を前提に設計された住まいです。
- 平屋日和・小屋日和・町屋日和(縁側家族ブランド)
- LOVEL・SCOPE・PiECE(YOROKOBiブランド)
これらは単なるデザイン住宅ではなく、「住む・貸す・売る・活かす」ことが可能な、流通できる住宅として開発しています。
別荘は「気持ちよさ」を求めるものですが、同時に「将来リスクを減らす投資」として考える時代になっています。
もし今、二地域居住や別荘建築を検討されているなら、一度立ち止まり、「出口」を見据えた所有の意義を考えていただきたいのです。
まとめ
別荘を建てることは、人生における大きな夢の一つです。
しかし夢だけではなく、投資としてのロジックを持つことが、賢者の別荘所有です。
- 売れることを前提に建てる
- 使わない時は貸して収入を得る
- 古くなる前に売却し、新たに建て直す
- コンパクトな平屋が最適解
こうした循環を意識すれば、別荘は“負担”ではなく“稼ぐ資産”に変わります。
今と未来、そして投資という視点で別荘を考えること。
それが、長野県での二地域居住を本当に豊かなものにする鍵だと、私は信じています。