HEAD BLOG代表 窪田のブログ

2025年8月25日

家づくりで外せない項目列記!

1) お金の設計(総予算・資金計画・ライフプラン)

  • 総額のフタを先に決める(本体工事費+付帯工事+設計監理費+外構+登記・引越し+家電家具+地盤改良リスク+予備費5〜10%)。
  • ローンは毎月返済額から逆算。固定費(保険/学費/車/老後)を織り込んで破綻しないラインを確定。
  • 金利タイプは「固定≒保険、変動≒リスク許容」だと腹落ちさせる。家計に合う方を。
  • 補助金・減税の要件(後述)を初期から満たす設計に。あと乗せは大体割高。

2024→2025の注意点

  • 日銀のマイナス金利解除&利上げで固定・変動とも上昇基調。フラット35の最頻金利も2025年はやや上向き。金利上振れ耐性を見た計画に。 (j-anshin.co.jp, シミュレーション, sbiaruhi.co.jp)
  • 住宅ローン減税は省エネ基準を満たす新築が前提(2024・2025入居の新築)。基準未満だと恩恵が小さくなる/受けられないことも。(SBI新生銀行)

2) 土地(立地・法規・インフラ)の現実把握

  • **ハザード(洪水・土砂・津波・液状化)**は国交省の公式マップで確認。安全>利便の優先順位で。(エムアールアイ)
  • 用途地域・建ぺい率/容積率・斜線、前面道路が建基法42条道路か、道路中心後退の要否。
  • インフラ引込(上水・下水・ガス・電力)と容量/負担金。下水が無いと浄化槽+保守費。EV/太陽光/蓄電池を視野に主幹容量を余裕取り。
  • 境界確定・越境物は購入前に白黒つける(確定測量・境界標)。トラブルの9割はここ。

2024→2025の注意点

  • 豪雨・猛暑の常態化。方位だけでなく通風経路・夏季日射遮蔽・外構の排水計画(集水/勾配/集水桝)を土地段階で検討。公式ハザードで立地の逃げ道を数字で確認。(エムアールアイ)

3) 施主要件の言語化(暮らしの要求仕様書)

  • 家族構成・将来変化、家事動線、収納率(延床の12〜15%目安)、趣味/在宅勤務、音環境、ペット、アレルギー。
  • 温熱快適の許容値(冬室温/夏室温の下限・上限、結露許容ゼロ)を数値で合意
  • メンテ周期と生涯コスト(屋根・外壁・設備)を初期に決めると後の迷いが減る。

2024→2025の注意点

  • 省エネ性能(次項)を満たさないと減税/補助に響く。**“欲しい暮らし”と“取れる制度”**のすり合わせを最初に。

4) 性能仕様の骨格(省エネ・断熱/気密・耐震・耐火・換気)

  • 2025年から原則“省エネ基準適合が義務”。UA・ηACなど数値で適合させるのが前提。(国土交通省)
  • 断熱等性能等級は5〜7が上位(2022改正)。地域/工法に応じて目標等級を決める。等級6/7は結露抑止設計(通気/防湿/熱橋対策)が必須。(国土交通省, リバブル)
  • 気密(C値)は施工品質の鏡。少なくとも実測で把握(気密測定)。
  • は“面積×性能”で効く。寒暑地は樹脂枠+Low-E複/三層、日射取得/遮蔽のゾーニング。
  • 耐震は等級3+偏心/直下率/接合金物/基礎計画まで詰める。
  • 換気は24時間換気義務。計画換気と気密はセット。ダクト経路・メンテ性を図面で確認。

2024→2025の注意点

  • 小規模木造の確認審査が厳格化(いわゆる4号特例の縮小・制度見直し)。構造・省エネの**“根拠図書”の整備と審査対応**が必要。設計段階から余裕あるタイムラインを。(国土交通省)

5) 法規・手続き(確認申請・検査・表示/認定)

  • 確認申請は提出図書の整合(意匠/構造/省エネ)を“誰が”担保するかを明記(設計者/構造担当/監理者)。
  • 長期優良住宅・BELS・ZEH等はメリットと手間を比較して選択。
  • 住宅瑕疵担保履行法に基づく保険加入or供託は必須(構造・雨水10年)。加入確認を契約条件に。(住宅省エネ2025キャンペーン〖公式〗)

2024→2025の注意点

  • 審査の実効化申請から着工までの期間が延びがち。工程表は“審査待ちバッファ”込みで。(国土交通省)

6) 事業体制(発注方式・契約書・監理の実効性)

  • 設計と施工の役割分担(設計監理方式 or 設計施工一括)を理解し、監理者の権限を契約書に。
  • 見積は**内訳明細(数量×単価)**が出る形で比較。一式見積だけはNG
  • **変更管理(設計変更・追加減額)値上げ条項(物価スライド)**の扱いを契約前に取り決め。
  • 第三者検査(配筋・構造金物・防水・気密)を工程に組み込む。

2024→2025の注意点


7) 実施設計(図面の解像度を上げる)

  • 断熱・気密・通気・雨仕舞い・防火・配管配線・点検口・メンテ導線まで**“描いてある図面”**に。
  • 納まりディテール(サッシ周り/バルコニー/外壁開口/基礎断熱端部/気密ライン)の指示は型番と施工手順まで。
  • 設備は更新容易性(将来交換・ルート・スペース)を設計要件化。

2024→2025の注意点

  • 等級6/7相当を狙うなら内部結露の検討熱橋対策は必須要件。根拠資料(計算/仕様書)を残す。(国土交通省)

8) 見積徴収とコスト調整(VE)

  • 代替案は性能・耐久・メンテを損なわない範囲で。見た目に走って躯体/外皮/窓/換気を削るのは愚策。
  • ランニングコスト(光熱・修繕)まで含めたLCCで判断。

2024→2025の注意点

  • 電気・空調機器の一部は納期変動。早めの仕様確定と代替機種の当たりを付けておく。

9) 工事請負契約

  • 契約書・約款・仕様書・図面の整合を確認。工程表出来高/支払条件検査/是正ルールを明記。
  • 瑕疵保険証券性能報告(気密測定・断熱検査など)引渡条件に入れる。

2024→2025の注意点

  • 価格スライド条項の触れ幅と発動条件、工期遅延の取扱い(不可抗力/審査遅延/資材遅延)を具体化。(国土交通省)

10) 着工前チェック(近隣・仮設・安全)

  • 近隣挨拶・搬入ルート・仮設計画(足場/トイレ/電気/水)・排水の仮設処理
  • 安全書類と現場ルールの確認(喫煙・騒音・粉じん・廃材分別)。

2024→2025の注意点


11) 施工・監理(検査の要所)

  • 基礎配筋→型枠→コンクリート(かぶり厚/打継ぎ/養生)
  • 上棟後:構造金物/耐力壁/剛床/耐風・耐震の釘ピッチ
  • 外皮:防水シート連続・貫通部処理・通気層連続
  • 開口部:サッシ取付・水切り・防水一次/二次
  • 断熱/気密:連続性・欠損補修・気密測定
  • 設備:勾配・ドレン・結露防止・点検性

2024→2025の注意点

  • 第三者検査を“記録付き”で。審査強化に合わせて是正完了のエビデンスを残すと後々有利。(国土交通省)

12) 竣工・引渡し(性能と書類を受け取る)

  • 完了検査合格の確認。
  • 性能実測(気密C値・換気風量・温熱サーモ簡易確認)と機器の取説/保証一式、瑕疵保険書類。
  • 竣工図・仕様書・写真帳は電子で保管。メンテ計画(塗装/コーキング/点検)表を作る。

2024→2025の注意点

  • 省エネ適合の証憑(計算書/適合判定/写真)は減税や将来売却で効く。なくさない。(SBI新生銀行)

13) 入居後の運用(光熱・メンテ・アップデート)

  • 夏の日射遮蔽(外付け/簾/樹木)と夜間通風冬は日射取得隙間止め
  • フィルタ清掃・換気風量の再調整、結露監視(窓際/北側)。
  • 太陽光・蓄電池は経済性と停電耐性の両面でシミュレーション。
  • 10年内外での設備更新費を毎年積み立てる。

2024→2025の注意点

  • 住宅省エネ2025キャンペーン(国の補助)は内容・予算枠が年度で変動。条件を満たす改修や高効率給湯・窓の後付けは早めに検討。(国土交通省)

これから建てる人への“非モテ”だけど超重要な三箇条

  1. 外皮(断熱・窓・気密)にお金を集中:内装の豪華さより、光熱費・快適性・健康に直結。
  2. 図面の解像度=出来栄え:描いてないものは現場で迷う→コスト/品質/工期が崩れる。
  3. 法規・制度は“先読み”で設計:2025の省エネ適合・審査強化・金利上昇を織り込んだ“計画ありき”。

ご不明な点がありましたら、お問い合わせください。

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