HEAD BLOG代表 窪田のブログ

2025年8月23日

良い家とは「五感に良い家」

新しい住まいを計画されている皆様へ。

家づくりと聞くと、つい間取りやデザイン、設備、断熱といった「目に見えるもの」に意識が向きがちです。しかし、本当に良い家とは、五感、つまり「視覚・聴覚・・嗅覚・触覚・味覚」のすべてに心地よく響く家だと私はずっと考えてきました。

五感を満たす家づくりが、なぜあなたの人生にとってかけがえのないものになるのか。その理由を、絶対に外せない視点としてお伝えします。
なぜなら、取り返しがつかない要素なので見落としがちですが、実は一番重要なことなのです。


1. 視覚:安らぎと心の豊かさをもたらす光と景観

家は、一日の始まりと終わりを過ごす場所です。朝、東の窓から差し込む柔らかな光で目覚め、夜、リビングから月を眺める。そんな日常のささやかな瞬間に、私たちは心が満たされます。

窓の配置、大きさ、高さは、単なる採光のためだけではありません。季節や時間の移り変わりを室内に運び込み、毎日異なる表情を見せてくれます。外の景観を切り取ることで、そこに住む人の感性を育み、日々の暮らしに安らぎと豊かさをもたらします。


2. 聴覚:静寂と安堵感を生み出す音の設計

現代社会は、常に音に満ちています。車の走行音、近隣の生活音、そして家の中での生活音。これらが騒音としてストレスになることも少なくありません。

良い家は、外の騒音から家族を守り、安眠を促す「静寂」を確保します。同時に、室内の生活音も適切にコントロールします。キッチンで聞こえる料理の音や、家族の話し声など、心地よい音だけが響くことで、安心感と温かさが生まれます。


3. 触覚:心身を癒す素材の温もり

私たちは、毎日、様々なものに触れて暮らしています。床や壁、ドアノブ、そして家具。これらの素材が、私たちの心身に直接語りかけてきます。

無垢のフローリングの柔らかな感触や、漆喰の壁の滑らかさ。これらの天然素材は、化学物質を含まず、素肌に触れても安心です。五感の中でも特に触覚は、潜在意識に働きかけ、リラックス効果をもたらすと言われています。


4. 嗅覚:記憶に残り、心に刻まれる空間の香り

匂いは、記憶と密接に結びついています。良い家には、家の匂いがあります。それは、新築特有の刺激臭ではなく、木の香り、土の香り、そして日々の暮らしの香りです。

自然素材でできた家は、深呼吸したくなるような清々しい香りに満たされます。それは、家族の思い出の香りとなり、いつまでも心に刻まれます。


5. 味覚:食を五感で楽しむための空間

おいしい食事は、私たちの心と体を健やかに保ちます。良い家は、その「食」を最大限に楽しむための空間を提供します。

キッチンは単なる調理場ではなく、家族のコミュニケーションが生まれる場。料理の香りや、できたての温かい食事を味わう空間。庭で育てたハーブを添えたり、食卓から見える景観を楽しんだり。五感すべてで食事を味わうことで、日々の食事が特別な時間になります。


五感に響く家づくりは、未来への投資

五感に優しい家は、単に「住みやすい」という利便性を超え、あなた自身の感受性を育み、日々の暮らしに喜びと安らぎをもたらします。それは、お子様の成長にも良い影響を与え、家族の絆を深めることにも繋がります。

家を建てることは、あなたの未来、そしてご家族の未来を創造することです。

「どのような家に住みたいか?」と考える時、ぜひ「どのような空間で、五感を満たしたいか?」という視点も加えてみてください。

その答えが、あなたにとって最高の家を築くための、かけがえのない道しるべとなるはずです。

華やかな「間取り」「デザイン」「色」などとは異なり、地味な要素で関心薄かもしれませんが、長い時間をそこで過ごすことを考えたら地味であっても関心薄であっても必ず向き合っていただくことをお勧めします。後悔しないために・・・

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