2025年11月1日
長野に暮らすという選択——東信で始める「もう一つの拠点」のすすめ
都会の速さに合わせて走り続けていると、ときどき胸の奥が「深呼吸したい」とささやきます。
その声に耳を澄ませたとき、真っ先に思い浮かべてほしい地名が“長野県”、そして“東信(とうしん)エリア”です。上田・佐久・小諸・軽井沢・蓼科(茅野)へと連なるこの一帯は、山の稜線の美しさ、澄んだ空気、四季のくっきりした表情、そして人の温度がほどよく混ざり合う場所。私はこの地で家づくりに携わる者として、移住や二地域居住、別荘を考える方の背中を、やさしく押したいと思っています。
なぜ長野なのか?——「暮らしの質」を底上げ
- からだがよろこぶ気候:東信は内陸性でカラッとした晴天が多く、夏は朝夕が涼しく、冬はきりっと乾いた空気。エリアによって積雪差はありますが、上田盆地や佐久は比較的雪が少なめ。四季をはっきり感じられることが、暮らしのリズムを整えてくれます。
 - 自然と都市機能の“いいとこ取り”:東京から新幹線で約1時間半。都会の仕事につながりながら、休日は山と温泉とローカルフード。移動だけで「モード」が切り替わります。
 - 水と食の豊かさ:清らかな水が育てる米・そば・高原野菜・果樹。台所に立つ時間がちょっと楽しみになる。
 - コミュニティの距離感:干渉は少なく、困った時は手を差し伸べる。「顔の見える関係」が過度にならず、ちょうど良い。
 
東信が良い理由——多彩な“住み心地”から選べる
同じ長野でも、東信は“マイクロ気候の選択肢”が広いのが魅力です。
- 上田:晴れの日が多く乾燥ぎみ。歴史と学びの土壌があり、「太陽の学園都市」と呼びたくなるほど教育資源も豊富。日常の暮らしに安定感。
 - 佐久・小諸:浅間山の眺望、広い空、からりとした空気。家庭菜園や趣味の工房が似合う。
 - 軽井沢:森の中の静けさと洗練。夏の涼しさは別格で、週末のスイッチを一瞬で切り替えてくれる。
 - 蓼科・白樺高原:標高の涼やかさ、湖と森のリトリート感。季節の輪郭がいっそう濃くなる。
 
「雪は少なめがいい」「森に包まれたい」「畑をやりたい」——同じエリア内で自分に合う“住み心地”を選びやすいのが、東信最大のアドバンテージです。
別荘? 二地域居住?——考える“拠点設計”
別荘は“休む・満たす”ための拠点。
二地域居住は“働く・育てる・学ぶ”も含めた暮らしの延長です。
迷っている方は、次のように目的を言語化してみてください。
- 心と体の回復:静けさ、緑、陽だまり、温泉までの距離。
 - 仕事の質向上:オンライン会議の快適さ、集中できる書斎、電源・通信の安定。
 - 子育て・学び:自然体験、地域の学校・文化施設との相性。
 - 趣味と創作:音・匂いを気にせず没頭できる空間、外作業の動線。
 
この“拠点の使命”が定まると、場所・間取り・性能の優先順位が自然と見えてきます。
東信で失敗しない
- コンパクト × 高性能が正解:長野の冬は凛と冷える。だからこそ断熱・気密・日射計画は最優先。面積は“必要十分”にし、室温と家計の両方を守る。
 - 四季の“居場所”をつくる:冬の陽だまりベンチ、夏の木陰デッキ、雨の日も楽しめる半外部空間——小さな贅沢が暮らしの幸福度を押し上げます。
 - メンテのしやすさ:別荘・二拠点は“空ける時間”が生まれる。耐久性の高い外装、雪・風対策、遠隔見守りの導入で安心を買う。
 - “住む・貸す・売る”を視野に:将来のライフステージ変化に備え、流通性の高いプランと仕様を。資産としての出口を最初からデザインする発想が、空き家リスクを減らします。
 - 地域とやさしくつながる:直売所・温泉・図書館・公園・学びの場。顔なじみのお店をひとつずつ増やすと、拠点は「住まい」へと育っていきます。
 
“体験”から始めましょう
机上の検討よりも、季節を一度、体で確かめるのが近道です。
- 平日と週末、晴れと雪、朝と夜をそれぞれ体験。
 - 新幹線・クルマのアクセス、駅からの動線、買い物や医療の近さを歩いて実感。
 - 気に入ったベーカリーや温泉を一つ見つける。そこから“自分の街”が始まります。
 
私たちが提案しているコンパクト高性能のプロダクトハウス(LOVEL/SCOPE/PiECE)は、こうした二地域居住や別荘利用に相性の良い“サイズと性能とデザインのバランス”を重ねて磨いてきました。大きく作らない代わりに、断熱・通風・採光・家事動線・収納を緻密に詰め、「住む・貸す・売る」の視点で流通性を確保する——空き家にならない家づくりの答えのひとつだと考えています。
迷走
- 冬の朝、霜柱を踏む音。
 - 春、浅間の残雪を眺めながら飲むコーヒー。
 - 夏、夕立のあとの澄んだ空気と星。
 - 秋、干し柿の甘さと、木の匂いがするリビング。
 
どれも特別ではないのに、心の真ん中にやさしく触れてくる瞬間です。
忙しい毎日を支えるのは、実はこうした小さな“ごほうび”の積み重ね。長野・東信の暮らしは、その回数を確実に増やしてくれます。
最後に
移住も二地域居住も、完璧な条件がそろう日はなかなか来ません。
「まずは小さく始める」が一番のコツです。
コンパクトな拠点を持ち、季節とともに手を入れ、地域に一歩ずつ根を下ろす。やがてその場所は、あなたやご家族の“心の充電基地”になります。
東信での暮らしが、あなたの毎日に静かな底力を与えてくれることを、私は確信しています。
もしよろしければ、私たちのモデルハウスや滞在体験で、“未来のふつうの一日”を試着してみてください。そこに、あなたの新しい生活の輪郭が見えてくるはずです。