2025年9月8日
フランチャイズ型?独自ブランド型?
日本の住宅会社のかたち 〜フランチャイズと独自色の違い〜
1. 住宅会社の「成り立ち」は大きく2つに分かれます。
・日本で家づくりを行う会社には、大きく分けて次の2つのタイプがあります。
1. フランチャイズ(FC)やボランタリーチェーン(VC)、代理店として運営している会社
2. 独自ブランド・独自設計で家づくりをしている会社
「フランチャイズ・代理店系の会社」
大手ハウスメーカーや住宅ブランドが「加盟店制度」をつくり、全国の工務店や建設会社がその看板を掲げて活動しています。
[ 比率の目安 ]
* 地域工務店の 約3〜4割は、何らかのFC・VCに加盟していると言われています。
* 特に中小工務店は、営業力や設計力を補うために加盟するケースが多いようです。
[ 特徴 ]
* デザイン・仕様・価格帯がパッケージ化されており、わかりやすい
* 本部のノウハウや宣伝力を使えるため安心感がある
* ただし「どの地域でも似たような家」になりやすい
* 地域の気候や文化への対応が十分でないこともある
「独自色で展開する会社」
一方で、独自のブランド・設計思想を持ち、自社のスタイルで家づくりを行う会社も少宮内ですが存在します。
[ 特徴 ]
* デザインや素材選びに「その会社ならではの個性」がある
* 地域の気候・暮らし方に合わせた提案ができる
* 家族ごとにオーダーメイドの対応が可能
* 宣伝力や知名度は大手に比べて弱いが、熱狂的ファンがいる
[ 消費者が知っておくべきポイント ]
家づくりを考える時、どちらが良い悪いではなく、違いを理解することが大切です。
安心感や価格のわかりやすさを重視 → FC・代理店系が向いている
こだわりや地域性、将来の資産価値を重視 → 独自系が向いている
つまり、
・「決まったプランから選びたい」人は “フランチャイズ型”
・「自分たちらしい家を一緒につくりたい」人は “独自系”
「自社で商品開発・ブランド展開している会社の比率」
日本の住宅業界全体でみると――
・大手ハウスメーカー(積水ハウス、住友林業、大和ハウスなど) → 当然ながら 100%自社開発ブランド
地域の工務店・中小住宅会社
・全体のうち約2〜3割が、完全に自社ブランド・商品を展開
・約3〜4割** はフランチャイズやパッケージを利用
・残りは「混合型」(自社商品もあるが一部はFC商品も扱う)
つまり、『地域工務店のうち「本当にゼロから商品企画をしている」のは少数派(2〜3割程度)』というのが実態です。
『 自社開発・ブランド展開型の会社の特徴 』
こうした会社は、ただ家を建てるだけでなく「住まいの世界観」を提案しています。
- 特徴1:哲学やストーリーがある
・「なぜこの家をつくるのか?」という理念が明確
・北欧風・和モダン・アウトドア志向など、生活スタイルをデザイン
- 特徴2:オリジナル商品ラインがある
・「平屋専門のシリーズ」「狭小地向け」「二世帯向け」など、ターゲットごとに商品化
・ネーミングやブランド戦略で記憶に残りやすい
- 特徴3:地域性を活かす
・信州なら寒冷地対策、沖縄なら台風対策など「土地に根差した仕様」
・地元の木材・左官仕上げなど、素材や職人技術を取り入れる
- 特徴4:ファンづくり
・モデルハウスや体験宿泊施設を活用してブランド体験を提供
・「〇〇工務店の家が好き」という指名買いも起こる魅力
- 消費者にとってのメリット・デメリット
<メリット>
* 世界観がわかりやすく、「暮らしの提案」として共感しやすい
* 既製品ではなく、自分たちらしい家を実現できる
* 将来的に「人気の出る家」になる可能性が高い
<デメリット>
* 知名度は大手FCブランドより弱いので知らない人もいる
* 仕様・仕組みをゼロから整えている分、コストが高めになる場合もある
* 担当者や会社の力量による
日本の住宅会社のうち、自社ブランドを本格展開しているのは約2〜3割程度と言われているようです。
大手はもちろん全て独自ブランドですが、地域工務店で独自ブランドを持つのは一握りです。特徴は「理念・世界観・地域性」にあり、家を購入希望者にとっては「暮らしの価値観を共有できるか」が判断ポイントになるかもしれません。
[ 家を購入希望者の方に向けて整理 ]
・「選びやすさ・安心感」を求めるなら “フランチャイズ型”
・「自分たちらしさ・共感できる暮らし」を求めるなら “自社ブランド型”
その識別は、難しいので「御社の住宅は FC or VC 加盟されていますか?」と単刀直入に聞いてみたらどうでしょうか?そして、その理由や特徴も聞いてみたらどうでしょうか?
FC・VC加盟の住宅会社と独自に展開している会社なのか?についてのお話でした。