HEAD BLOG代表 窪田のブログ

2025年7月26日

建築基準法の大改正と審査体制の問題について

住宅着工の現場でいま起きている“現実”と、その向こうにあるべき未来

2025年5月、国土交通省が発表した住宅着工統計を見て、私たち建築に関わる者は「やはり…」という現実を突きつけられました。前年同月比で大幅な減少──想像していた最悪の事態が、残念ながら現実のものとなっています。

原因は明らかです。今年4月からの建築基準法の大改正。この法改正により、確認申請の審査が格段に厳しくなり、そして“遅く”なりました。これまでであれば1週間程度で下りていた建築確認が、現在では2ヶ月近くかかるという異常事態が発生しています。

「いつから住めるのか」という、ごく当たり前の願いが見えなくなってしまっている。
それだけではありません。審査の過程で、構造的な指摘が入れば、材料の見直しや構造補強が求められ、それにより予算オーバーになるケースも多発。最悪の場合、間取りの再検討や設計のやり直しを余儀なくされ、再度の申請、さらに遅延、さらにコストアップ──という負の連鎖に巻き込まれてしまうのです。

このような状況では、基礎工事業者や大工への発注時期の見通しも立たず、工事スケジュール全体が崩れてしまう。工期の予測ができず、工事に携わるすべての人が不安定な立場に置かれています。

では、なぜここまで審査が厳しくなったのか?
確かに、一部の地域、特に北海道のニセコなどでは、法律無視の無秩序な建築が社会問題化しています。法の強化そのものには一定の理解があります。しかし、それは極めて特殊な事例であり、大多数の建築会社や依頼者は、常識的かつ適正なルールのもとで真面目に家づくりをしてきました。
それらの“善良な建築”までが、画一的な厳格化の対象とされ、著しく時間とコストの負担を強いられているのが、いまの現実なのです。

この状況は、住宅を購入・建築しようとする人にとっては深刻です。家の価格は上がり、スケジュールは不透明になり、物価上昇と収入の乖離に苦しむ中、さらに住宅の取得が難しくなってしまっているのです。

私たちはここで、いま一度問い直す必要があります。
この法改正は、誰のためのものだったのか?
本当に守るべきは、誰なのか?

依頼者が不安になり、作り手が苦しみ、将来の借り手・買い手も家を手に入れられなくなるのであれば、それは本末転倒です。建築確認制度の本来の目的は、安全で健全な建築を促進することであり、決して家づくりを止めるためのものではないはずです。

■ 今後の解決策として考えられること

  1. 確認申請の審査体制の強化
  • 審査官の人員を増員し、業務分担を効率化することで、審査期間の短縮を目指す。
  1. 構造検討の“事前相談”の徹底
  • 申請前に、役所や指定確認検査機関との事前協議を通じて、指摘や変更が後から出ないようにする。
  1. 軽微変更制度の柔軟運用
  • 工事着手後の軽微な構造変更において、再申請を必要としない範囲を明確化し、実務上の混乱を避ける。
  1. 合理的なガイドラインの整備
  • 一律でなく、地域性や工法に応じた柔軟な運用を可能とするガイドラインを整備し、現場と行政の間に適切な橋をかける。
  1. 設計・工事側の技術的アップデート
  • 法改正内容を正しく把握し、先回りして対応できる体制を整える。設計事務所・工務店・施工業者の連携も不可欠です。

今こそ、家を建てたい人・建てる人・関わるすべての人が手を取り合い、「未来の家づくり」を見つめ直す時です。
誰かを責めるのではなく、「この状況をどう超えるか」をともに考える視点を持つことこそが、今もっとも求められていることではないでしょうか。

一番とお勧めは、ゆっくり構えているのではなく、どれだけ早く家づくりの計画を始めるのか?ではないでしょうか?

早ければ早いほど良いと言えます。

『行動』が解決のわかりやすいお話です。

以上、最新の現場の声を届ける報告とさせていただきます。

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