2023年7月11日
平屋の概念に迫る!
ここ数年、平屋住宅に住みたい人が多いと情報誌に書かれている。
確かに平屋暮らしは普通に考えてもメリットが多い。
共働きにや子育てや将来を考えると選択肢は「平屋住宅」がいい。
もちろん、デメリットもある。
目の前に片流れ屋根の二階建てが建つと壁が目の前にあるように感じたり、日当たりが悪かったりと残念な環境になる。
しかし、それでも「平屋住宅」に関心のある家づくりをこれから目指される方には外せない選択肢としての有力候補にランキングされている。
では、平屋とは本当に1階だけの家をいうのか?
実は、単に1階だけで生活する家だけをいうのではないと認識している。
言葉を変えていうなら「平屋ベース住宅」と言わなければならないようにも思う。
①「平屋」
②「平屋」+「LOFT」
③「平屋」+「スキップフロア」
④「平屋」+「小屋裏部屋」
⑤「平屋」+「一部2階」
これ全てを「平屋」という概念に含まれていると思われる。
なぜ?
平屋=一階だけの家
残念ながら、家は敷地に建てるもの。
だから、敷地に家は左右される。
全てを一階で完結できればいいが、敷地に理想の間取りが入らなければ絵に描いた餅。
そこで、スキップフロアや小屋裏部屋やLOFTや一部2階を検討することは「知恵」だと言えるのではないか?
絶対に一階部分に必要な要素や部屋などは外せないと考えると、優先順位として上の階に上げてもいいという要素や部屋もある。
実は、「縁側家族」平屋から考える家づくり!
これは、私たちがお示ししている考え方だ。
できうるならば、将来を考えて一階に寝室を配置すべきという基本概念がある。
子供部屋は、足腰丈夫なので上の階層にしてもいい。
将来、子供が巣立って空き部屋になっても通常の生活に支障をきたさないからだ。
もし、2階に寝室もあったら「足腰の怪我」「老後」を考えると危険そのもの。
一階に寝室があれば「洗面脱衣・ランドリー」「ふろ」「トイレ」「キッチン」も同一階なので安心。
つまり、階段が将来の障壁になると予想できる。
若いと人ごとだと感じるかもしれません。
しかし、お爺さんやお婆さんを観察してみてください。
足腰が不自由になると車椅子のお世話になったりします。
家で自由に不便なく暮らそうと思えば平屋を選択すべきです。
先ほども書きました。
「平屋」=「一階だけの家をいうわけではない」
バリエーションがあるということ。
その一つが「縁側家族」のシリーズ。
⑴「平屋日和」=「一階だけの家」
⑵「小屋日和」=「平屋」+「小屋裏部屋のある家」
⑶「町屋日和」=「平屋」+「一部2階のある家」
しかも、テーマとして縁側には必ず屋根がかかっている。
国産材の「杉」を標準に使用し露出する柱などは「木曽東濃檜(耐久性重視)」を使用する。
「和」をベースとした正当性のあるデザイン。
シンプルイズ・ベスト。
普遍デザイン。
今だけカッコいい家ではなく、未来もチーブ化しない家。
国産材を積極的に活用する家。
訳のある家。
そんなテーマを意識して、そこに挑戦していく家。
「平屋」こそが将来を見越して建てるべき家だと確信している。
そして、変に考えすぎて、変わった間取りにしない。
理由は、未来まで住みやすいかどうかわからないから。
地味なようでも、基本的に生活をする前提で未来までを考えた間取りにすべき。
使用素材は、新建材はいつか廃盤になることを前提に、将来塗り替え張替えができる素材を選択すべき。
「木」や「塗り壁」などは、将来痛んだ時「木」の交換や「塗り壁」の上から重ね塗りすることができるので家が美しく長持ちする。
しかも、どこにでもあるような家にはならない。
自分らしさを自然体で主張できる。
木と白い壁が中心の家は、家具や雑貨が映える。
屋根は、雨漏りの原因を生む場所。
昔から先人たちがそう教えてきてくれた。
よって「切妻」を軸に「片流れ」など、シンプルで屋根に谷ができないような形状が望ましい。
スタイリッシュなデザインはシャープな線の連続で構成される場合が多い 。
つまり、屋根の勾配が緩く、屋根と屋根が繋がる構成でない場合、雨漏り?の恐れが脳裏をよぎる。
確かに、専門の部材などが登場してきたのでそこまで心配しなくてもいいとは思うが・・・
「平屋ブーム」「平屋人気」だけで「平屋」を選択するのではなく、『なぜ?』を自問自答して「訳あって平屋」という結論に至る道を歩んでほしい。
デザインにもわけがあるべき。
素材衣選びにもわけが必要。
色選びも重要。
「平屋」と言っても様々。
今回は「平屋」にズームアップして、少しだけそのバリエーションとその訳をお伝えしてみました。