2020年9月10日
「平屋日和・小屋日和」の魅力
国産材の杉でつくる「日和シリーズ」。
国産材の産直による家づくりにこだわる「日和シリーズ」。
その中でも縁側家族の原点とも言える「平屋日和」。
家を見ると一目瞭然である「杉」の個性が光る。
存在感は想像以上に家の主人公である様に感じる。
「杉」特有の源平(赤い部分と白い部分)が印象的な素材は日本を代表する建築に一番向いている素材と言われてきた。
それは、構造材に使う価値だけでなく床に使うことの意味が見学すると理解できるのではないか。
平屋日和は、南面に大きな屋根のある特徴的なデザイン。
それには、訳がある。
日本人が大切にしてきた縁側。
縁側には屋根をかけて外と中をつなぐ中間的な役割を持たせる。
屋根がかかっている縁側は、様々な生活のシーンを豊かにしてくれる。
「寛ぎ」
「会話」
「洗濯もの干し場」
「子供の遊び場」
「読書」
「お茶」
・・・・・
そして、床や壁に「無垢の杉」を貼ることで体験できる感覚は自然素材だからこそ味わえる不思議な満足感へと繋がる。
メンテナンスのことも考えて大きな屋根をかけている。
いつまでも愛せる家を目指して塗装を自分ですることも脚立があれば可能。
しかし、「平屋日和」の豊かさは、素地である国産杉はあくまでも脇役。
主役は、住む人。
長い人生を心身ともに守ってくれる安心感が魅力なのだ。
単に平屋を開発することを目的にした平屋開発の家ではない。
確かに暮らしやすいといえば「平屋」だ。
しかし、それだけでいいとは思えなかった。
屋根付きの縁側のある先人たちの知恵が詰まった「和」暮らしの平屋こそが豊かな暮らしができる家だという想いを止められなかった。
屋根付きの縁側を実現するためにはコストアップにつながる。
当たり前にわざわざ付けるのだから基礎工事、床工事、屋根工事など単価の高い部分を加えるのだから当然そうなる。
しかし、割増になる事を承知で屋根付き縁側を標準で設置するだけの意味や価値があることを実現すべきだと考えた。
平屋をつくること自体も二階建てで窯業サイディングの家にすれば家を安くすることにつながる。
そんなことは建築人なら誰もが知ってる話だ。
無垢材を使うだけで大工技術を要求される。
新建材の様に箱から出して組み立てるわけではない。
仕事量は確実に増える。
しかし、家は長い人生に寄り添い家族の成長をサポートする重要な役目を持つ。
確かに自然素材は個性がそれぞれある。
生きている証拠といえばそれまでだが四季を通じて湿度などにより少し変化するのだ。
夏なら湿度が高い。
その湿度を適度に吸収し膨らむ。
しかし、そのお陰で室内はジメジメした不快感を確実に和らげてくれる。
呼吸している。
逆に冬は、乾燥する。
特に長野県は年間降水量が少ない分、乾燥しやすい。
それを無垢材は和らげてくれる素材が持つ特性がある。
しかも、素足で暮らした時の心地よさは毎日暮らしていれば当たり前に感じてわからなくなってしまうが、そうじゃない素材の暮らしをしてみたら当たり前の心地よさの素晴らしさに気づくのは意識して見ないとわからないかもしれない。
日本人や和が世界から評価され憧れの真斗となる部分として、重要なことがあるの感じている。
それは、素材を活かすこと。
日本料理に代表される素材を引き出す思考。
素材が持つ色合いは、着色してしまっては当然失われてしまう。
室内を様々な色や柄で覆ってしまうと圧迫感で居心地が悪くなる。
白い壁と自然素材の色とのシンプルなバランス感覚は、やはり自然な素材をそのまま活かしているからではないか。
木の樹種が持つ特徴を引き出すことで、いつまでも素材の変化が飽きさせない環境を提供してくれるのだと。
古びることで味わい深くなる自然の奥深さを感じながら家族が成長していく。
家とは、家族が健全に未来に向かって暮らしていくための寛容そのものと言えるのではないか。
「水は、方円の器に従う」=「人は、周囲の環境に従う」
環境こそが人を豊かにしてくれるのは根幹と言える様に思う。
そんな想いを持って縁側家族「日和シリーズ」を産み出したつもり。
だから、単に平屋の家ならいいのではなく、住む人の健全な環境づくりを大切に考えた。
暮らしは、豊かで楽しく価値あるものでなければならないという想いを詰め込んだ。
そういう家づくりを目指して「日和シリーズ」を考え進めていきたい。