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■ 賢い家づくりの正体(1)
【 時代の変化 】
戦後、日本の暮らしは大きく音を立てて変っていった。
戦争で、家族を失い、家を失い、暮らしを奪われた者も少なくない。
国は、まず失った住まいの用意に翻弄した。
そんな環境下で、生まれた住文化の一つにプレハブ住宅を上げることができよう。
世界広しといえど、工業化住宅という存在は日本だけである。
もう一つ忘れてはならないことがある。
それは、アメリカ文化の進入だ。
短時間に日本人の価値観が揺れ動いた。
そして・・・・・
多くの日本人はアメリカの暮らしに憧れた。
幾多の時代を重ねてきた日本特有の伝統や文化よりもアメリカの文化が上であると理解した。次第に日本の「もったいない精神」に亀裂が入っていった。
効率性を重んじ、循環型を生活に取り入れたスタイルが崩壊していった。
田の字型の優れた万能型間取りに背を向ける者が増えた。
プライベートを重んじ、閉ざされた間取りが先進文化だと思い違いをしてしまった。
生活様式の変化に伴い熟成数百年民家は次々と姿を消していった。
そのことで、日本人の暮らし方そのものともいえる住まいが変わっていった。
結果として、日本の住まいは20年から30年で取り壊される道を歩み続けてきた。
勿論、それ以外にも短命な住宅が増えた理由はある。
でも、ひとことでいえば日本の家は短命なのだ。
言い訳抜きに短命になってしまった。
このように戦後から現在までの住文化の歴史に日本の暮らしは大きく変化し、生活への価値意識も、人との関わり方も、子供の成長も、何もかも変わったといえるだろう。
便利になったともいえる。
楽になったともいえるだろう。
そう考えると良いことばかりに思えてしまうが、実は失ったものの方がはるかに多いのかもしれない。
高度経済成長期を迎え、バブル経済を頂点に右肩上がりの経済成長カーブ曲線が、日本人の暮らしや住まいに何をもたらし、何を奪っていったのか。振り返ってみると、今だからわかることが沢山あるような気がする。
失って、気が付くということだろうか。
戦後、多くを学び、精一杯努力し、夢見たアメリカ型らしき暮らしを手に入れたと思いきや、それがはたして本当に望む暮らしであり住まいだったのか。
正に「賢い選択」であったのか「愚かな選択」であったのかを考えてみるときだ。
もっというと「賢い家づくり」とは何で、「愚かな家づくり」とは何であるのか?
そういうことを真剣に考え、最善の家づくりの道を模索してみたい。
次回は、そういう点に触れていくつもりだ。
「賢い家づくり」の本当の意味や姿を浮き彫りにしてみたいと思う。










